空の果て、世界の向こう側
近しい人との永遠の別れ
私はそれを一度も経験したことがない。
そう思うと、大切な人たちは今のところ全員この世界にいることになり、死というものは彼らと住む世界を別にしてしまうことを意味する。
だから私は、死が時々怖くなる。
逆を言えばこの先、彼らがあちらの世界に行くのならば、私はそれに恐怖を抱かなくなるだろう。
心のどこかで、早く誰か…と、
そこまで思って、思考を閉じる。
なんて最低な考えだ。
心中というのは、こういう考えも少しは含まれている結果の行動なのかもしれない。
最近、家族関係がてんでだめだ。
そうなると、世界を渡りたくなる気持ちが一気に加速する。
私の寿命が訪れたとき、世界の向こう側に私の知る人が誰1人としていない場合、「先に行って待ってるね」という想いを抱くのだろう。
映画やドラマでよく見かけたその言葉の本当の意味を、ようやく理解することになるのだろう。